北但大震災復興100周年記念プロジェクト実行委員会

城崎温泉の次の100年に向けて

2025.02.01

志賀直哉の小説「城の崎にて」の舞台になった城崎温泉は、
まちを流れる大谿川沿いの柳並木、太鼓橋、外湯、木造三階建ての旅館など、
昔ながらの風情を残す日本随一の温泉街として有名です。
しかし、城崎温泉が大正時代に震災で壊滅的な被害を受けたことはあまり知られていません。

北但大震災の発生

北但大震災は、大正14年(1925)5月23日午前11時10分2秒に発生した、円山川河口沖合を震源とするマグニチュード6.8の地震です。城崎では火災で温泉街の9割が倒壊・焼失し、多数の尊い命が奪われるなど壊滅的な被害を及ぼしました。(城崎町史 参照)

震災からの復興

震災からの復興

その後の復興では「外湯第一主義」を掲げ、外湯の復旧を復興の第一弾とし、大正15年(1926年)から昭和7年(1932年)にかけて6か所の浴場を新築するとともに、まちの将来を担う子どもたちの教育を重視し、震災5日後には早くもテントを建て授業が再開されました。

新時代への適応

復興のさなか、町民会議を幾度となく繰り返し、地権者が土地の1割を無償で提供することを決定しました。
そして、防災・減災ならびに車社会の到来を予見し道路幅を2倍に拡張しました。また大谿川の川幅の拡幅、護岸をかさ上げし水害への備えもあわせて実現しました。

脈々と受け継がれる意志

イベントでは様々な業種や年齢のスタッフがボランティアで運営

このように城崎温泉が壊滅的な被害を受けたにもかかわらず、復興をとげ日本を代表する温泉地となったのは
昔から受け継がれる「共存共栄」のアイデンティティがあったからです。
まち全体をひとつの旅館として考え、駅は玄関・道は廊下・宿は客室・
土産物屋は売店・外湯は大浴場としてまち全体でお客様をおもてなしする精神ともいえます。
どこかだけが栄えるわけではなく、まち全体で栄える。この精神はいまも受け継がれています。

次の100年にむけて

2023年6月に開催した「第1回タウンタウンミーティング」では約50名の参加

2025年5月23日に北但大震災からの復興100年を迎えます。
まちの次世代を担う若手が主体となり、人口減少やその他の地域課題の解決を見据え、
次の100年にむけたビジョンを発信するため「北但大震災復興100年記念プロジェクト実行委員会」を立ち上げました。
プロジェクトの進行にあたり3つの大きなテーマを決定しました。

①外湯中心主義/桃島バイパスの開通を見据えたまちの新たなグランドデザイン
②まちの未来を創る子どもの教育
③安心・安全なまちづくり/防災・減災・そして医療

各項目に応じた部会を以下の通り立ち上げ、有識者や住民を巻き込んだ議論、各種事業、社会実験等を計画しています。

交通・都市計画部会

100年ぶりのグランドデザインの大転換となる桃島バイパスの完成後の交通体系や
エリアマネジメント等についてのビジョン作成
①既存データの整理・社会実験
②フリンジパーキングの実験
③学識者と連携した具体的な都市計画の策定
④高齢者や若い世代の交流を促進する公園の計画

安心して住めるまち創造部会

①持続可能な医療・介護・福祉体制の検討
②DCP(地域継続計画)の策定
⇒令和6年能登半島地震をうけて行政との連携を模索

教育部会

①地域の未来を創る子どもの教育の検討・人材育成の取組
②地元の生徒を対象にした教育プログラムの計画・実施

広報・マーケティング・万博部会

①”北但大震災からの創造的復興”をテーマにした演劇の制作・上演
(防災・復興ツーリズム)
②誘客プランの作成・販売(防災・復興ツーリズム)
③PⅤ(プロジェクトムービー)の制作
⇒城崎温泉の「創造的復興」とそこに住む人々の足跡や覚悟を多言語で発信

本部事業

①フォーラムの開催
⇒2025年5月23日13時~15時(予定)
 行政関係者等に幅広く出席を依頼し、ビジョン実現の原動力へ

②慰霊塔(北但地震火災殉難者精霊塔)の修繕
⇒北但大震災から1ヶ月も経たないうちに兵庫県南部の有志により発起され、
 震災一周忌に除幕式と追悼式(百僧供養)が行われた。
 震災から99年が経過し、玉垣や基礎に傷みが生じたため修繕が必要
【建立発願人】
貴族院議員 服部 一三 氏(元兵庫県知事)
兵庫農工銀行頭取 大谷 吟衛門 氏
日本燐寸製造株式会社社長 直樹 政之助 氏
神戸姫路電気鉄道株式会社副社長 内村 直俊 氏
神戸修養会 汐川 泰仙 氏
他寄進者 106名

ご寄付のお願い

実行委員会で活動を行い将来に向けたビジョンの策定、そして夢で終わらせず実現させるためには
地元住民の力のみだけでなく、有識者やその他の皆さんの協力も必要となり
どうしても大きな予算が必要となります。
皆さまからのお力添え心よりお待ちしております。

【募集期間】 2025年2月1日~2025年5月23日
【ご寄付の方法】 下記事務局までお問合せください。
【事務局】 城崎温泉観光協会 担当:野竿
      0796-32-3663(9:00~17:00)

現在の外湯

空室検索

宿泊日
泊数
人数